物憂げな表情。動物の着ぐるみを身に付けた人間をモチーフにした陶芸作品

カリフォルニア州オークランド在住の彫刻家Crystal Moreyの作品をご紹介。木彫のようですがこちらは粘土を焼成することででき上がる陶芸作品です。

熊や鹿、キリンなどの動物の着ぐるみを身に付けています。作品の原風景にはカリフォルニア北部のシエラネバダ山麓の小さな町で育ち、湖や川で泳いだり、木登りしたりなど小さなときから自然と多く触れ合っていたことが大きく影響されているようですよ。土を捏ねて動物や人を造形することがとても自然なのでしょうね。

公式サイトから確認しても作風が理解できるように、「半アニマル、半人間」という作品の方向性が印象的です。
今回の記事に掲載されているキリンの作品に注目すると、キリンが「人間」だったらどういった仕草をしていて、どのような感情がありどのような言葉を発しそうか?などの素朴な疑問を抱きながら作者が制作していたなら、作家にとっての「動物」がいかに重要な存在だったかという愛情も自然と感じられますね。動物の着ぐるみを被っているという部分に深みのあるコンセプトを秘めているような気さえします。

また公式サイトで見られる半オオカミ半人間の作品は、まるで遠吠えをしているかのような姿で苦しそうな感情が伝わってきます。動物の特徴、細部への質感のこだわり、感情が目に見えて伝わることなど、様々な要素が功を奏していると言えそうです。

一連の作品の流れがどこかカフカの「変身」のような「ある日起きたら自分が人間ではなくなっていた」という事も思い起こさせます。
作り手が動物と人間の姿を客観視しながら、さらに動物を通じ感情が伝わっていくような作品を作る事は、制作の熟練者が必ずしもできる技というわけでも、技術そのものでもなさそうですね。











Crystal Morey






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