ルネ・マグリットの不条理なユーモア。「言葉とイメージ」の問題を追求したシュールレアリスト


ベルギーの画家で、サルバドール・ダリマックス・エルンストイヴ・タンギーなどと並ぶシュールレアリストのルネ・マグリット(René François Ghislain Magritte)(ルネ・フランソワ・ギスラン・マグリット)(1898〜1967)は20世紀美術のもっとも重要な運動の一つであるシュルレアリスムを代表する画家です。最近では、2015年に国立新美術館、京都市美術館でマグリット展が開催されたのも記憶に新しいですね。

1898年にマグリットはベルギーのエノー州レシーヌに3人兄弟の長男として生まれています。幼い頃より、絵を描くことに興味をもち10代の頃から絵画教室に通っています。18歳でブリュッセルにある王立美術アカデミーに入学し、在学中は、抽象絵画やキュビズム、ピュリスムなどの動向から幾つかの傾向を模索して制作しました。

ジョルジェットという女性に14歳の頃に初めて出会い、その後、偶然再会し、1922年、24歳の時に結婚しています。目立った女性関係はなく、1967年にマグリットが亡くなる最後まで、ジョルジェットが伴侶となっています。マグリットの作品にもモデルとして多く登場¥し、最後まで、添い遂げたことからマグリットにとって、理想的であり、精神的な支えであったことが伺えます。その後、ポスター、広告デザインの仕事に就き、制作も行っています。

1924年にフランスの詩人アンドレ・ブルトンによって創始された芸術運動であるシュルレアリスムは、ジグムント・フロイトの提唱した精神分析理論に依拠して、人間の無意識に生と芸術の根元を見出そうとしました。1926年頃にシュルレアリスム・グループが成立し、マグリットもこの運動に参加しています。

マグリットの作品の形象は明確に表現され、筆触をほとんど残さない古典的ともいえる描法で丁寧な仕上げがほどこされています。改めて観ても不思議な世界観ですね。
国内だと豊田市美術館、宇都宮美術館、横浜美術館が所蔵しているので見ることができますよ。






    ルネ・マグリットの作品リスト

  • 恋人たち
  • イメージの裏切り
  • 複製禁止(エドワード・ジェイムズの肖像)
  • ゴルコンダ
  • 光の帝国
  • 葡萄摘みの月
  • ピレネの城
  • 大家族
  • 白紙委任状

ルネ・マグリット「恋人たち」 1928年 キャンバスに油彩 ニューヨーク近代美術館

顔を白い布に覆われた恋人がキスをする光景を描いています。神経を病んで、橋の上からサンブル川に身投げし、2週間以上、川に浸かっていたため、遺体はかなり傷んでいたといいます。この白い布は、母が発見された時にかけられていたものだといいます。

ルネ・マグリット「イメージの裏切り」 1929年 キャンバスに油彩 ロサンゼルス・カウンティ美術館

パイプの下に描かれているのは「これはパイプではない」という文字。確かにパイプではなく、描かれたパイプであって本物のパイプではありません。「物」と「物のイメージ」と「物の名前」の結びつきは恣意的なものでありお互いに切り離すことができるということ、この3つが新しい関係性を生んだことを表象させることをこの作品でマグリットは試みています。
ルネ・マグリット「イメージの裏切り」 

ルネ・マグリット「複製禁止(エドワード・ジェイムズの肖像)」 1937年 キャンバスに油彩 ボイマンス・ファン・ブーニンゲン美術館

ルネ・マグリット「ゴルコンダ」 1953年 キャンバスに油彩 メニル・コレクション

ルネ・マグリット「光の帝国」 1954年 キャンバスに油彩 ベルギー王立美術館/マグリット美術館

ルネ・マグリット「光の帝国」

ルネ・マグリット「葡萄摘みの月」 1959年 キャンバスに油彩 個人蔵

ルネ・マグリット「葡萄摘みの月」 

ルネ・マグリット「ピレネの城」 1959年 キャンバスに油彩 イスラエル美術館

ルネ・マグリット「ピレネの城」

ルネ・マグリット「大家族」 1963年 キャンバスに油彩 宇都宮美術館

ルネ・マグリット「大家族」

ルネ・マグリット「白紙委任状」 1965年 キャンバスに油彩 ワシントンナショナルギャラリー

ルネ・マグリット「白紙委任状」






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