薄い布でホログラムのような図像を作り出すインスタレーション作品

タイのアーティストUttaporn Nimmalaikaewは幾十もの薄い布を重ね合わせホログラムのような図像を作り出すインスタレーション作品を制作しています。1枚1枚に描き、それを重ね合わせることで立体物のように見せています。
以前ご紹介したガラスを幾十にも重ね合わせた作品を作るアーティストXia Xiaowanの作品も素材は違いますが同様の手法と言えるでしょう。

怖過ぎ!?ガラスを重ねて作られた立体作品がガクブル級のホラー

こちらの作品の手法では風景画を表現する際の空気遠近法としても応用できそうですが、作家の作品には人が多く登場しています。薄暗い雰囲気と人の表情が特徴的で、浮世離れしたような、でも幽霊とも違う存在感をイメージさせる仄暗さがこの作家らしさと言えるかもしれません。

もしこの作品空間に風が吹いて一瞬でもふわっと薄い布が揺らいだら、その布が元に戻った瞬間に見えた顔や人の姿に、鳥肌が立ちそうですね。

以前、とある海外の大学や日本の大学の学生作品で、同じような手法の風景画や空間画を見たことがありますが、今回ご紹介した作家の作品のような奇怪な魅力はUttaporn Nimmalaikaewならではの独特なオリジナリティなのでしょう。

おそらくもっと布を何重にも重ねて一つの作品にするというのも良いかと思いますが、何枚目に、何をどのように描いていくかという事を計算しなければ、思い通りに仕上がらない作品でもありそうです。

同手法で鳥や波の表現をしても面白そうですし、布を1枚にして映像を投影し、投影した映像を動画にしてもまた面白いのではないかと次第にアイデアも膨らんでいきます。

しかし今回の作家における「良さ」は静止画をあえて作品にしている点かもしれません。

インタビュー動画と制作している光景を撮影した動画もありますので合わせてご覧ください。











Artist Spotlight | Uttaporn Nimmalaikaew | Family and Loved Ones from Artists Abroad on Vimeo.

Artist Spotlight | Uttaporn Nimmalaikaew | Studio Process from Artists Abroad on Vimeo.






この記事に興味のある方はこちらもオススメです

電子部品で現代的曼陀羅を表現したアート作品「Technological mandala」... ロンドンのマルチメディアアーティストLeonard Ulianの作品をご紹介します。これらの作品はラジオやコンピュータなどを解体して取り出された電子部品とマイクロチップを使って曼陀羅を表現しています。 実に意外な切り口に驚きですね。欧州圏のアーティストがこういった形で曼陀羅を制作している点も意...
【驚愕】アルツハイマー病になりながらも自画像を描き続けた画家の記録... イギリス・ロンドンの画家ウィリアム・ウテルモーレン(William Utermohlen)の絵画作品をご紹介します。1933年生まれのウィリアムはアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)を患った画家として有名で、発病から晩年の作品変遷は驚愕の内容です。 ウィリアム・ウテルモーレンは、1933...
まるでホルマリン漬け。ガラスを使って動物の頭部を克明に描き出す作品シリーズ「TAXONOMY」... コロンビアのアーティストYosman Boteroさんは15枚の平面ガラスにアクリル絵の具で描いた動物の頭部の絵を重ね合わせて、立体的に見える作品シリーズ「TAXONOMY」を制作しました。 一体、1枚1枚どんな風に描かれているのでしょうか。見当もつきませんね。かなりリアルに見えるのでホルマリ...
【押さえておくべき名作・23選】過去200年で歴史を揺るがした衝撃的で革新的な芸術作品... 美術史の中で名を残す革新的な芸術作品をご紹介します。年代的には過去200年、1800年初頭から選出されています。 Paddle8というオークションハウスのキューレーターが選出したもので、とても参考になるので是非ご覧下さい。どの作品も有名なもので憶えておいて損はしないと思います。 ...
手が届きそう・・・本物のような月「Museum of the Moon」... イギリスのアーティストLuke jerram(ルーク·ジェラム)のインスタレーション作品「Museum of the Moon」は月をモチーフにした立体作品で、NASAの提供する画像を元にまるで本物のような月を制作しています。 HIVにマラリア、インフルエンザ。病原菌やウィルスをガラスで再現し...
🍄なにこの可愛いお部屋!?「不思議の国のアリス」の世界を再現したかのような空間芸術が... こちらは1961年ブリュッセル生まれのCarsten Höller(カーステン・ヘラー)のインスタレーション作品「Upside Down Mushroom Room」(2000)です。 ドイツにて農業工学を学び、その後昆虫のコミニケーションの研究しアーティストになるという異色の経歴をもつCar...
     

SNSで更新情報を配信中!!