「惑星ソラリス」や「ノスタルジア」などで有名なソ連の映画監督アンドレイ・タルコフスキーが撮影したポラロイド写真集


「惑星ソラリス」や「ノスタルジア」、「サクリファイス 」など「水」の象徴性を巧みに利用した独特の映像美で知られるソ連を代表する映画監督アンドレイ・タルコフスキー(1932〜1986)(Andrei Arsenyevich Tarkovsky)が撮影したポラロイド写真集をご紹介します。

ロシアとイタリアで1979年から1984年にかけて撮影されたもので、家族や身近な風景、とてもプライベートなものから映画の撮影現場などが切り取られています。

ノスタルジックでフィルムで撮影された映画のような雰囲気、アンドレイ・タルコフスキーが見た生っぽさ風景を感じることができます。

タルコフスキーは1932年にソビエト連邦に生まれた映画監督として広く知られています。日本でもその人気は頷けるもので、2012年には生誕80周年にちなんで、広島県と宮城県で80周年記念映画祭が催されました。またタルコフスキーは1986年に肺がんで、パリにて客死したとされています。

今回ご紹介する写真集はタルコフスキーならではのフィルム写真らしい美しさを醸し出していますが、タルコフスキーのマニアには堪らない作品とも言えそうです。

ノスタルジーな雰囲気を醸し出している写真は、「写真」であってもピクチャレスクな風景を切り取った「油彩画」のようなイメージ変換もでき、雰囲気はどことなく薄暗いものでありながらも、見る人を柔らかく包み込むようなタルコフスキーらしさを如実に表している作品と言っても良さそうですね。映画を見てから作品集を見る方が、また解釈の仕方も変わってくるのでしょうね。

なお、2017年には日本でも渋谷のアップリンクでタルコフスキー特集と題した上映会をされていたそうです。
タルコフスキーが亡くなられた後もなお作品が各国で色褪せず人気を博しつづけているところが、作品性の強みになっているのでしょう。






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Instant Light: Tarkovsky PolaroidsInstant Light: Tarkovsky Polaroids
Tonino Guerra,Giovanni Chiaramonte,Andrey A. Tarkovsky

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ポラロイド写真
これはアンドレイ・タルコフスキーがポラロイドカメラで切り取った<ある瞬間>を集めた写真集です。それは家族の姿だったり愛犬だったり、時には映画のロケ地探しで訪れた場所だったり。ポラロイドの魅力は、この本のタイトル通り「その瞬間の光景をそのまま切りとる」ことなのだなぁと気づかされます。
不思議なことにどの写真もいつか・どこかで見た風景のような、ある種のノスタルジックな空気を纏っていて、「この瞬間に戻りたい!」というどうしようもない切なさを呼び覚まします。
それは、タルコフスキーという人の素晴らしい才能の賜物でもあると同時に、撮る人の恣意より寧ろその場の空気や感情を精確に写し取る写真機の性質故かもしれません。
Amazon レビューより

監督の視点
タルコフスキーの視点がわかる面白い本です。ポラロイドの色調が、どこかはかない、幻想的な雰囲気にマッチしていて、映画同様の独特の世界を表現しています。
ただ、サイズはボラの原寸を生かしたのだと思うのですが、もう一回り大きく、見やすくした方が、個人的にはよかった気も。ただ、そこを差し引いても写真集好きならば1冊持つ価値のある本だと思います。
Amazon レビューより

 
 
 

2015年2月18日に投稿された記事を再編集しています。

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