今見ても斬新。デイヴィッド・ホックニーのフォトコラージュ作品「Joiners」

今回は、イギリス人アーティスト、David Hockney(デイヴィッド・ホックニー)の作品をご紹介します。
現在はアメリカ、ロサンゼルスを拠点に、80歳を超えた今もなお、精力的に作品を生み出し続けているHockney。60年代にイギリスで起きたPOPアートムーブメントにも大きな影響を与え、イギリス芸術史においても、重要な軌跡を残す、現代アーティストの一人なのです。

Hockneyは、カラフルな色使いとダイナミックな構図が印象的な絵画作品でも知られていますが、今回ご紹介するフォトコラージュシリーズは、写真界においても大きなインパクトを与え、その後多くのアーティストがその手法を取り入れた作品を発表しています。
彼が「Joiners」と呼ぶ、この作品群では、一つの光景が何カットにもコマ分けされた写真の組み合わせで映し出されています。

何気ない街の風景やポートレートが、一度バラバラに解体されることで、それぞれが自律し、再び組み合わされた時に、躍動感とリズム感が新たに芽吹いていますよね。キュビズムから多くの影響を受けたと語る彼らしく、その組み合わせの妙は、「知っているはずなのに知らない・・・」奇妙な既視感の裏切りを見る人の中に植え付けます。

私たちが見ている(つもりの)この世界はほんの一部分で、無数の角度から数えきれないほどの表情に出会うことができることを、Hockneyのコラージュは改めて教えてくれているのかもしれません。
















ホックニーの世界 (WORLD OF ART)
マルコ リヴィングストン
洋販出版

この記事に興味のある方はこちらもオススメです

人物ときのこ🍄を融合させた奇妙で可愛いキノコ・コラージュが不思議... ボストンを拠点とするアーティストAmy Ross(エイミー・ロス)のコラージュ作品をご紹介します。こちらの作品はきのこと中世ヨーロッパ風の絵画で描かれた人物をコラージュして作られた作品です。 彼女はコネチカット大学で宗教学の学士号を取得し、その後ハーバード大学から神学研究の修士号を取得しました...
アリス不在のワンダーランド。幻想的で摩訶不思議なコラージュ世界... コラージュアーティスト、アートディレクターのqta3のコラージュ作品が素敵です。 「アリス不在のワンダーランド」がテーマとなっており、その多くのコラージュ作品がinstagramに投稿されていて、とてもファンタジックで摩訶不思議な世界を見せています。 素材は雑誌などから使われており、デジ...
昭和シュールレアリスム。前衛芸術の草分け写真家・山本悍右の世界... 山本悍右(Kansuke Yamamoto)(1914-1987)の写真をご紹介します。 これらの写真は1940年代後半〜50年代に多く撮影され、日本におけるシュールレアリスム作品の礎、シュールレアリストの草分け的存在ともいえるアーティストです。セピア調の色調やシンプルで非現実感漂う世界、昭和の独...
拡張し変容するイメージ。レコードジャケットを重ね合わせ独自のビジュアルを作り出した芸術作品... こちらは現代アーティスト、Christian Marclay(クリスチャン・マークレー)の作品です。 Christian Marclayと言えば、映画の中から時計の時間が表示されているシーンだけをつなぎ合わせる24時間の映像作品「The Clock」や音楽関連の作品が多く、自らをレコードプレイ...
飛び出した肉片を連想させる。動物の剥製を使ったグロテスクなアート作品... トロント在住のアーティストRebecca Fin Simonettiの立体作品です。 奇形やキメラを思わせる剥製の他にポリマークレイ(樹脂粘土)や革などが素材として使われています。剥製の足下や体に付いているものは肉片や生皮を連想させますね。問題を投げかけるような意図や社会的なテーマ、抗議などは...
日本の現代版画を世界に知らしめた人物。芥川賞作家としても有名な芸術家・池田満寿夫の版画作品... こちらは芸術家・池田満寿夫(1934-1997)の作品。ここでは版画作品をメインで紹介しますが、版画だけでなく挿絵画家、彫刻家、陶芸家、小説家、詩人、映画監督とかなり多彩な活躍をしていました。ニューヨーク近代美術館で日本人として初の個展、第33回ヴェネツイア・ビエンナーレ展版画部門の国際大賞受賞、1...


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る