【山下清】「裸の大将」で有名な放浪画家が貼絵で描いた花火

こちらはテレビドラマでとても有名な画家・山下清(1922〜1971)の花火をモチーフにした作品です。一瞬のきらめきを放つ花火がとても好きだったようで多くの花火の作品を描いています。これらの作品群は貼絵などの技法を使って描かれています。1925年3歳の時に、高熱を伴う風邪により軽度の知的障害・言語障害を抱えることになります。

山下清は映像記憶力の持ち主で、全国の花火大会に訪れ、記憶した花火の光景、情景を作品化しました。現場で絵を描くことは少なく、記憶された風景を元に花火を描いたそうです。放浪に旅に出たのは、通学に嫌気がさしたのと、戦争に行くのを避けていたというのが理由で、気がむくままに各地を訪れ、自由を求めた旅をしていました。

山下清は1940年頃より放浪の旅を始めています。放浪の理由は、徴兵への不安や、12歳の時に入園していた千葉県にある養護施設八幡学園で出される食事への心苦しさなどが考えられています。最初は千葉県内の各地を放浪、43年に母親の家及び八幡学園にいったん戻るが再び放浪。その後も何度か母親に顔を見せることもありましたが、基本的に放浪に明け暮れています。
また、千葉だけでなく関東各地や福島県にまで足を伸ばし、ときおり八幡学園に戻ってきては作品の制作を続けます。その他には九州や中国・四国・近畿・北陸など遠方を旅することもあり、各地を周り、花火大会の風景や、日本自然などを描写しました。

18歳で放浪生活を始めた清は、学園生活や徴兵から逃げ出すことを「悪」と考えず、自分の正直な気持ちを表現した正しい行動と捉えていました。そして、心の安定と自由な時間を求め、本能の赴くままの旅を続けるのでした。

テレビドラマの「裸の大将放浪記」では、放浪先で絵を描き、さまざまな感動を残すストーリーとなっていますが、実際の放浪ではほとんど絵を描いていません。旅先で見た風物を自分の脳裏に鮮明に焼きつけ、実家や八幡学園に帰ってから自分の記憶によるイメージを描いていたのです。数ヶ月間、時には数年間の放浪生活から帰った清は、驚異的な記憶力により自分の脳裏に焼きついた風物を鮮明に再現していたのです。しかも、山下清のフィルターを通したイメージは、実物の風物より色鮮やかで暖かい画像となり、それが独特の貼り絵となっていったのです。

彼の日記にも、そのことが書かれています。
「ぼくは放浪している時 絵を描くために歩き回っているのではなく きれいな景色やめずらしい物を見るのが好きで歩いている 貼絵は帰ってからゆっくり思い出して描くことができた」

日本中を放浪して絵を描いたことや俳優の芦屋雁之助によってドラマ化されたことで、広く知られるようになりました。2007〜2009年にはお笑いコンビ「ドランクドラゴン」の塚地武雅さんが山下清を演じていますね。

日本洋画界の重鎮で洋画家・梅原龍三郎も山下清のことを高く評価したそうです。






山下清「長岡の花火」 貼り絵 昭和25年

山下清「富田林の花火」 貼り絵 昭和44年

山下清「両国の花火」 油絵 昭和30年

山下清「諏訪湖の花火」

山下清「ナイアガラ花火と見物人」 貼り絵

山下 清 ~公式サイト~






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2012年11月22日に投稿された記事を再編集しています。

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