角煮にしか見えない!!故宮博物院で人気を博す「肉形石(にくがたいし)」が美味しそう・・・

「肉形石(にくがたいし)」(高5.73cm×6.6cm×厚さ5.3cm)をご存知でしょうか。以前にご紹介した白菜の形をした着色がされていないヒスイ輝石(宝石として珍重されている翡翠のうちの「硬玉」)が使われている「翠玉白菜」と肩を並べるほど人気のある作品なのです。「翠玉白菜」は2014年6〜9月に東京国立博物館で展示され話題となりましたね。「肉形石」は10月7日から10月20日には福岡で限定で展示されました。

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「肉形石(にくがたいし)」は清朝時代(1644〜1912年まで中国、モンゴルを支配した統一王朝)に作られたもので、日本でいう角煮の一種、東坡肉(とんぽーろー)をモチーフにした彫刻とされています。

この「肉形石」が凄いのは、この角煮の表情が自然に作られた石であるということです。この角煮、「肉形石」の含有物が層状に積み重なり、生まれたあの肉汁がたまらない見ているだけでヨダレが出そうなほど食欲をそそる縞模様は自然に生まれたということなのです。

ただ、「翠玉白菜」同様に、人の手による演出もされており、この「肉形石(にくがたいし)」も皮の部分となる表面に豚肉の特有の毛穴や肌触りなどが巧みに表現されており、醤油が染み込んだような色味は染料で染められています。

国立故宮博物院 肉形石






アメリカのサンフランシスコにあるアジア美術館(Asian Art Museum)では2016年5月3日~10月6日の期間に「肉形石」が展示されていました。


「肉形石」は前述の「翠玉白菜」と「清明上河図」(中国の北宋の都城内外の賑わい栄えた様を描いた画巻)と共に故宮博物院の三大至宝と言われています。もともと、この「肉形石」は紫禁城(明清朝の旧王宮で、現在は世界遺産である歴史的建造物)の皇帝の執務室であるとともに寝室である「養心殿」に展示してあったものらしく、清朝の最後の皇帝である「ラストエンペラー」と知られる溥儀(ふぎ)が紫禁城を追われた翌年の1925年に、紫禁城に遺された様々な所蔵品を接収し、整理、点検、調査する清室善後委員会が、「肉形石」を見てあまりに角煮にソックリだったために「豚肉の化石」と記したそうです。






ちなみに、故宮博物院には神品として名高い「翠玉白菜(すいぎょくはくさい)」と言う作品もあります。清末期の光緒帝の妃として嫁入りした瑾妃のお嫁入り道具といわれています。白菜の白は清廉潔白(娘の純潔)を象徴し、キリギリスは子孫繁栄(多産)を象徴しています。






台北 國立故宮博物院を極める (とんぼの本)

 
 
 

2016年8月25日に投稿された記事を再編集しています。

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