フリーランスフォトグラファーYukinori Hasumiによる写真連載「ニューヨークの息遣い」がスタート。脱サラフォトグラファーがニューヨークの混沌とした風景を切り取ります。毎回写真1枚とそれにまつわるエピソードを公開します。

   

2017年1月、真冬の突き刺さるような冷たい暴風を全身に浴びながら、ドアの無いヘリから見下ろすニューヨーク・マンハッタン。

もっと上空からだと見れないが、ミッドタウンに林立する巨大な摩天楼の麓は常に無数の人や車列でひしめき合っている。この混沌とした光景を撮りたかった最初のきっかけは幼少期まで遡る。

Yukinori Hasumi©Yukinori Hasumi

幼稚園年長の時、父親に連れられて初めて観た映画は「BATMAN」。今では”奇才”と呼ばれるティム・バートンが若かりし頃にメガホンを取った映画だ。

オープニングロールが終わって冒頭のほんの数秒、闇夜に浮かぶゴッサム・シティのスカイラインと、建物に埋め尽くされて空すら見えないストリートにひしめく無数の人や車の混沌とした描写が今でも脳裏に焼き付いて離れず、なぜだか無性に強く惹かれた。後で知ったが、街のモデルはニューヨーク。

稚拙なストーリーで申し訳ないのだが、それこそ生涯忘れることのできない原体験。
”初めて映画館で観た映画”とは真っ白なキャンバスに最初の色を塗られるような感覚なのかもしれない。

30歳を過ぎて人生に迷った時、初めて一人で訪れたニューヨークで強く感じた自由な価値観と多様性。悩んだ挙句、それまで趣味にしていた写真の道を進もうと、いつしかこの大都市を撮るために通うようになっていた。

空撮用のヘリに乗る費用は30分で500ドル。決して安くはないが、俯瞰で見る街から感じる息遣いを写すことに心血を注ぐ瞬間は限りなく濃密だ。

Yukinori Hasumi(フリーランスフォトグラファー)
30歳の節目で人生を振り返り、主体的な生き方をしてこなかったことに後悔して脱サラ。胆力を鍛える目的でニューヨークへ初海外一人旅をし、そこで多種多様な文化、自由な価値観に触れたことで人生観が大きく変わる。
“一度きりの人生を完全燃焼で終えたい” と強く思い、それまで趣味にしていた写真の道を志し始める。

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